マディ上原著・決定判2 刊行委員会の藏真一郎さんより、マディ上原原画展のごあいさつを頂きました!
マディ上原原画展 ごあいさつ
『愚陋呈ス苦有リ。安堵シテ…美ヲ撃テ! GROTESQUERY AND SHITTY BEAUTY』
神保町桜祭り記念 マディ上原原画展@夢野書店にようこそお出で下さりました。今回、夢野書店西山友和代表の御厚意に依り、マディ上原(上原政範)没後はじめての小展示を開催致します。
1957年東京目黒区に生まれたマディ上原は、1982年に成人向劇画誌上に発表した「異次元ピュアな」ナンセンス四コマ漫画で識者の心眼を釘付けにし、活躍の場を漫画雑誌『ガロ』(アックスの前身)に拡げ、チミツなイラストレーションの連続をネーム(科白)無しで発表する等、特異で前衛的な境地を切り拓きつつある途上、惜しくも2009年12月22日脳出血で早世・52歳でした。
「特殊漫画」のスタート時80年代初頭にスター作家であった点、及びワン&オンリーなオリヂナリティに依って根本敬特殊漫画家大統領と共にガロ系特殊漫画界の至宝としての注目が高まりつつあります。漫画ではナンセンスの純粋化に徹し、自分好みの世界の視覚化に当たっては空想科学有機的な筆勢に一点の妥協もありません。
「既に二冊の単行本(『漫姦全席』-笠倉出版・1968、『決定判』-青林堂・1987)に成っている、プロットの展開・推移を持つ”漫画“では無く、未完成に近い一枚物・一齣物を中心にファイン・アーティストとしてのマディ上原を、未来のファンに紹介したい」との西山代表の熱いリクエストに基き、親類・縁者・友人・知己の保有する静止画を御高覧頂く次第です。
2018年3月30日 マディ上原著・決定判2 刊行委員会© 藏真一郎